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mercredi 06 avr. 2011

怒りの矛先はただひとつ

今日の記事は長文ですー。ものすごく。

Yahoo!の知恵袋に投稿された質問と
それに寄せられた回答を読んで、涙がでました→

多くの県民がいま同じ気持ちを抱えていると思います。
このまま日本から見捨てられるんじゃないかと、
不安に思ってる。でもそんなことはないんだよね。
日本中のたくさんのひとたちが、
ふくしまのことを心配してくれている。

いつか原発事故が無事に収束したら、
いつか放射能の値が下がったら、
みんなきっときっと遊びにきてね。
特に首都圏のみんな、ここには東京にない
魅力的なものがたーくさんあるよ。
あ、ちなみに、東京ではほとんどみかけない、
2Lのミネラルウォーターとかヨーグルトもあるよ(へへん)

戻ってくるまで、こんなに気持ちが楽になるなんて
思ってもみななかった。友人たちにも会って、
いつものおみせやさんにも立ち寄って、
やっぱり私の生きる場所はここだって思った。
なにより、オットもいっしょだしね。

でもね、放射能はやっぱり怖いものだと思います。
においも、かたちもなくて、
そこに存在しているかどうかさえ確認できないから、
ついつい油断してしまうけれど、、、。
自分がどれぐらいの放射能を浴びているか、
累積の数値をしっかり記録しておこうと思う。

先日書いた記事「私に残された時間数」に対して、
「福島に残っているお友達に、少し配慮が足りないのでは。
お友達はもっとたくさん放射線を浴びている
計算になるのですから。」という市民の方のコメントをいただきました。
コメントを下さった方のお気持ち、よくわかります。
本当にありがとうございます。
そして不本意にせよ不快にさせてしまって、
本当に申し訳ありません。
私でさえこうして一旦戻ってきたら、
すぐに限度の1ミリシーベルトに達するわけで、
ずっと残っていた人たちが読んだら、
それは不安だしショックですよね。

でも悲しいけれどこれが現実なんです。
国際的に積み重ねられてきた研究成果に基づいて
定められた安全基準を、勝手に100倍も水増ししたり、
1回しか受けないレントゲンの数値と、
1時間あたりの放射線量を比べて、
それよりずっと少ないと述べた国や、報道したマスコミ。
大学教授の肩書を持つ放射線アドバイザーを呼び、
「大丈夫だ」、「安全だ」、「心配する必要はない」と宣伝した、
県と市の判断は間違っていると私は思います。
本来ならば、一番危険だった事故直後のせめて2週間は、
市民を安全な場所に一時避難させるべきだったと、
いま、私は思う。

一方で、人が住みなれた土地を
簡単に離れられないことも、十分理解しています。
だから私は友人たちに「避難した方がいい」とは、
一言も言いませんでした。自分も勉強不足でしたしね。
そのことで自分をいまだに責めたりしていますが、
一時的にせよ、安心して過ごせる場所を
与えられるわけではないのに、
私がそれを言うことがどんなに残酷なことか、
承知していたからです。
それより前の記事で、「言葉が紡げない」と書いたのも、
そういうことです。

ブログを読んでくれている私の友人たちは、
なぜ私がこんなに不安になることを言うのか、
ちゃんとわかってくれています。
リアルな信頼関係があるから。
地元を愛し、憂う気持ち、
お互いを思い合う気持ちを共有しているから。

その上で、地元に残ることを選択している。
過去に遡って、浴びた放射能を解消することなど
できないわけです。

だからこそ、私は自分が信用できると考えた、
命や健康にかかわる情報を
しばらくはありのままに発信しつづけると思います。
他の方と比べればこの土地にいる時間が少ない
自分の身体の中にも、確実に放射能が累積していきますから。
まずは自分が浴びつづけている放射線の量が、
積算でどの程度になるのか、はっきりとさせておくことが、
大切だと思っています。そして私の考えに共感してくれるならば、
市内に住むなるべくたくさんの方々にも、
記録を取っておいてほしいのです。
それはイコール、自分たちが受けた被害の程度なのですから。
これは長期にわたる、たたかいなのです。
5年後、10年後、20年後に、
癌などの健康被害を受けた時に、
国と東電に関連性をみとめさせるためにも、
必要なことだと思います。泣き寝入りはしたくないので。

これは私のブログなので、私が思うことを書き続けます。
ブログ開設当初からのポリシーでもありますが、
それに対するコメントにレスポンスしたり、
あるいは議論したりするつもりもありません。
情報の是非は各自でご判断ください。
なので、もしこれを読んでくださっている市民の方で、
「こんな情報は読んでも不快になるだけだ」と
思われる方がいらしたら、本当に申し訳ないけれど、
当ブログへのご訪問はしばらくご遠慮ください。
不快にさせることは私の本意ではありません。
たぶん、原発の問題が収束したら、
もとの楽しい内容に戻ると思います。
そうしたらまた戻ってきてくださるとうれしいです。

下記にも続けて、市民の方が読んだら
悲しくなるようなことを書きますので、
読みたくない方は、どうぞブラウザを閉じてください。

大気だけじゃなくて、
水も野菜も肉も魚も、私は被爆リスクの明確でないものは
なるべく摂取しないと思います、少なくとも数年間は。。。
それは自分の胸をかきむしられるぐらい苦しいことです。
それによって地元の生産者を苦しめることになるのだから。
でもテレビのインタビューで農家の方が言っていたように、
これは風評被害などではなくて、
豊かな大地に降り注いだ実害なのです。
物の道理として、そこで栽培する野菜や米に、
放射性物質が少しでも含まれていれば、
それがたとえ基準値以下であろうとも、
リスクを回避しようとするのが消費者というもの。

だから暫定基準値を緩和してほしいとか、
測定する前に流水で洗い流すとか、
そういうことで被害を解決しようとするのは、
私は間違ってると思います。
そうではなくて、生産者・消費者がいますべきことは、
被害を受けたすべての食物を買い取るように、
東電と国にもとめていくことではないでしょうか。

農業、漁業だけではありません。
個人事業者を含む商店や会社、民間の学校、教育機関も、
これまでだって不況の中で必死に営業してきたのに、
原発のせいで売上が激減してるのです。
もちろん地震の被害もありますが、
少なくとも私の住んでいる福島市は、
津波被害のあった他地域と比べると、
もっと早く復興への歩みを
力強く進めることができたはずなんです。
原発事故さえなければ。
商工会は、昨年度同月と比較した損益を
補てんするように、東電と国に求めていくべきです。

まともな住居を用意もせず避難を強いられたひとたちや、
屋内退避という生殺しみたいな指示をされている、
原発近隣に住んでいたすべての方々が、
新しい土地で新しい生活を踏み出すための
十分な補償をすぐにさせることはもちろんです。

今日、東電は原発近隣の10市町村に、
それぞれ2000万円の「お見舞い金」を渡したそうです。
浪江町だけが受け取らなかった。
その理由を町長さんが述べておられました。

・町民に謝罪もないまま、見舞い金を渡すのはおかしい
・見舞金は町が受け取るものではなく、
町民ひとりひとりが受け取るものである。
・町民ひとり当たりに換算すると、わずか1000円程度になり
生活資金の足しにもならない

というわけです。
なんとも馬鹿にした話じゃありませんか?
まやかしの微々たる額の札束を地方自治体に配って、
なんとか怒りを鎮めようとしてるのです。
彼らが原発を作った時と同じ方法で、、、。
東電の内部留保、いわゆる貯金額ですが、
いくらあると思います?約2兆円ですよ、2兆円。

まずそれを充当して、すぐにでもすべての県民が
生きていくための生活資金を補償するべきです。
それで足りないということであれば、
原発を推進してきた国と原子力関連企業の
内部留保をあてて支払うべきです。
(ちなみに原子炉製造にかかわった、
日立は1兆2487億円、
東芝は5791億円の内部留保があるそうです)

そしてもちろんこれは、県外で被害を受けた方々
すべてにあてはまることです。

また同様に県も結果的に県民を大きな危険にさらしていることを、
深く反省しなくてはなりません。昨年8月、佐藤雄平知事は、
長らく凍結していた3号機のプルサーマル営業運転を認可しました。
事故の後、そこから非常に危険なプルトニウムが検出されています。
その際、国から「核燃料リサイクル交付金」として受け取った60億円を、
まずは困っている県民の救済にあててほしいです。
それからこのことによって東電や関連会社を
失業する県民が出たら、
その雇用対策も県がしっかりと行っていくべきです。

怒りや悲しみの矛先を向ける相手、
被害のしわよせを与える相手を、
見誤ってはならないと思うんです。
202万5461人の全県民が、
職業や立場の違いを超えてひとつになって、
たたかっていけたらいいのにと、
ふくしまを愛する県民のひとりとして、
切に思っています。

だから私は凛と怒って、凛と声を上げ続けます。

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